前回は【なぜ会社を辞めるのか?】という記事を書きました。
今回は自分の会社が破滅に向かうのか、それとも飛躍するのかという判断基準を『ORIGINALS』という本の中の研究結果を交えながら書いていきます。
先に書いておきますと、僕は会社が潰れると思って会社を辞めたわけではありません。むしろ存続していくだろうなと感じています。それなのになぜ辞めたのかは時間がありましたら前の記事を読んでいただけると参考になると思います。
僕が勤めている会社は日本にとって最終防衛線みたいな存在なので絶対に潰れてはいけないですし、今後も成長してほしいと強く願っています。
創業期に潰れやすい組織・潰れない組織
創業期の会社はどのように成長させてきたのか、という疑問をもとに1990年代半ばに社会学者ジェームズ・バロンがシリコンバレーのベンチャー企業200社以上に対しインタビューを行いました。
その結果3つの組織モデルにわけることができました。
①専門型・・・特定のスキルを持ったスペシャリストタイプの人材が多い。
②スター型・・・頭が良かったり、実績がある人が多い。
③献身型・・・会社の価値観に溶け込める人が多い。
それぞれの組織を2000年のバブル崩壊まで追跡すると③献身型の組織が圧倒的に生き残っている…、というか潰れている組織はひとつもありませんでした。
(逆に一番潰れていたのが①専門型。)
ただ献身型の組織は上場後の株式市場価値があまり伸びないという問題がありました。
なぜ伸び悩んでしまうかというと、会社の価値観に同意する人ばかりになってしまい、似たような人材ばかりになってしまって新しい考え方を取り入れることができなくなっていたからです。
時代が全く変化しないなら良いですが、近年は今までで最も変化が激しい時代です。
大きな組織のジレンマでもあるのですが、強い絆や団結力を持つ会社は時代の変化に対応しにくく孤立しやすくなってしまいます。
特に「あっ、この会社近い将来潰れるな」という判断基準になりそうなのは、会社の業績が低迷してきて会社のトップが身の回りに同じような意見を持つ人ばかりで固めてアドバイスを求めるようになったたらやばいです。
逆に新しい意見を取り入れて業績を伸ばすためには苦い薬を飲むような態度のトップならとりあえずは大丈夫ではないでしょうか。
ちなみに過去の成功に捉われ、新しい価値観を取り入れなかった組織の代表例としてフィルムカメラで有名なコダックがあります。決して馬鹿にしているわけでなく歴史から学び、同じような過ちを繰り返さないという態度が大切だと考えているので紹介させてもらいます。
生き残る強い組織とは
創業期の会社においては社風に馴染める社員の多い組織が必ず生き残るという研究結果がありましたが、創業期を乗り越え生き残った会社が取るべき手段は『多様性を尊重すること』です。
物事には正解「らしき」ものがあるので成長した会社がある程度正解「らしき」意見へ偏るというのは当然の流れだと考えています。
ですが正解「らしき」ものは絶対の正解ではありません。
そもそも変化の激しい今の時代には正解が移り変わっていきます。
会社に限らず、自分が起こした行動に対しその反応を身の回りにいる人に聞いてみて反対の意見が出たときに「そんなことはない。僕の考えは絶対に正しいのだ」と、考え方が凝り固まっている場合は注意が必要です。自戒でもありますが…。
僕の会社の社長の印象
ちなみに僕は今勤めている会社の社長に会ったことがあるのですが(10年のうちたった2回)、非常に面白い方だなと感じました。
1回目はレース用にセットアップされた車をフカしているところ。
2回目は会社の表彰のとき。
特に2回目の表彰のときの印象が強いのですが、他の表彰者とともに表彰会場へ入場する際、会社の経営陣が前を向いてズラリと並んでいる中で社長だけが後ろを振り向いて入場してくる表彰者たちのの顔をじーっと眺めていました。
僕は文面や写真で社長を見てきた印象もありましたが、それをみて「周りの顔色を気にせず自分の会社に尽くしてくれた人をちゃんと見てくれる温かい人だなあ」と感じました。
好奇心が強く、反骨精神もあり、自分の考えをしっかりと持った素晴らしい経営者だと僕は今でも感じています。
今回は初めて科学的な研究結果も交えて記事を書かせてもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
★参考資料★