この記事は日本財団の「第1~3回 自殺意調査」のデータから、僕なりに考察を入れた内容になっています。
もしも「自殺を考えている」という方が、この記事にたどり着いてしまったとしたら、すぐ下に記載した電話相談のリンクから、気軽に相談してみるといいかもしれません。(あなたの自由です。)
この記事は、厚生労働省が発表している「WHOによる自殺予防の手引き」に基づいて作成しています。
では本題にいきましょう。
どんな調査?
この調査の目的は、自殺のことを考えていたり自殺しようとしたことがあるかの実態を知るためです。
そういった考えを持っている人の数を統計化することによって、効果的な予防方法の材料としたり、みんなに知ってもらおうという取り組みの一環です。
自殺の意思に関する大規模調査は世界でも数が少なく、どのような原因から発生しているのかを理解するには役に立ちます。
~それぞれの調査概要~
【第1回】
対象:全国20歳以上の男女
時期:2016年8月
有効回答数:40,436件
【第2回】
対象:全国20歳以上の男女(※第1回で有効回答を行った方のみ)
時期:2017年7月
有効回答数:21,142件
【第3回】
対象①:全国20歳以上の男女(※第2回で有効回答を行った方のみ)
対象②(補充調査):全国18~22歳の男女
時期:2018年12月
有効回答数(対象①):15,362件
有効回答数(対象②):3,126件
どんなことがわかった?
【第1回より抜粋】
①本気で自殺を考えたことがある人は、4人に1人
②特に20~39歳は、自殺念慮・未遂を行う人が多い
③自殺未遂をした人でも、誰かに相談する割合は半分以下
【第2回より抜粋】
①第1回で自殺念慮した人のうち、3人に2人は同じ気持ちのまま
②特に健康・家庭・経済の問題が自殺念慮のリスクを高めやすい
③家庭がうまくいかないと自殺念慮のリスクは3.29倍高まる
【第3回18~22歳の調査より抜粋】
①自殺念慮・未遂する人のうち「いじめが最大原因」だと4人に1人が考えている
②56.4%が心理専門職(カウンセラーなど)のレッテル貼りに恐れ
③主な相談相手は両親・祖父母、友人、恋人
全調査結果に対しての考察
自殺をしようと考えるに至るまでのプロセスは千差万別です。
今回のように統計化することによって、大体の傾向をつかむことはできても、対策を打つには体系だった専門知識・ひとりひとりの状況確認と気持ちに寄り添った配慮が必要でしょう。
それを念頭に置いていただいた上で、ここからの考察はブログ管理者ユウキの個人的意見ですので参考程度に留めるようお願いします。
まず、この調査は「日本の自殺念慮・未遂をした人がどのくらいいるか?」について把握するには非常に役に立つと考えています。
特に原因になりやすい要素は
・単体の原因では「家庭がうまくいっていない」
・組み合わせの原因では「健康+家庭+経済問題」の3重苦
・身体や心の持病がある
・自分に自信がない
などであることがわかりました。
これらの現に対する対策の難しいところは、すぐに解決できる問題がひとつもないことです。
特に問題が大きいものから、ひとつひとつ根気強く解決に向けて取り組んでいく必要があるでしょう。
しかし解決に時間がかかっていると、気持ちが疲れてしまいます。
人は短期的な報酬がないとやる気が出ませんし、手ごたえがない中を1人で突き進むのはつらいことと思います。
その無気力感をなくすためには、どんな小さなことでもいいので信頼のおける人に少しずつ話してみるといいでしょう。
信頼のおける人とは、両親・祖父母、友人、恋人です。
身の回りにそういった方がいない場合は、冒頭にも紹介した電話相談があります。
「食べごろだと思っていたアボカドが腐っていて、かなしかった」
とか
「雨が降っていて、なんとなく気分が晴れない」
とか。
どんな小さなことでもいいですので、まずは話してみると楽になるかもしれません。
誰かに自分の悩みを話すことが、悩みを解決する最初の一歩だと僕は考えています。
★参考資料★
自殺を考えるほどつらい気持ちを抱えている方へ
こころの健康相談統一ダイヤル
電話:0570-064-556(有料)
※各都道府県・政令指定都市によって対応する曜日・時間が異なります。詳しくは、下記のリンクをご確認ください。
どこに相談したらいいか迷われている方へ
よりそいホットライン
電話:0120-279-338(通話無料、24時間対応、年中無休)