「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」を読んだ感想

「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」は全9章から構成されている本です。

 

その構成内容をざっくり説明します。(実際の各章の見出しとは異なります。)

第1章:先入観が決定に与える影響

第2章:感情と影響力の関係

第3章:アメとムチで人を動かす

第4章:主体性を持たせると人は動く

第5章:好奇心で人は動く

第6章:心理状態による判断への影響

第7~8章:他人からの影響力と思考の偏り

第9章:最先端と近未来の影響力について

 

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この本を読むと、どう役に立つ?

激動の時代で生き残るために

あなたや他人が人の影響を及ぼそうとするときの考え方の仕組みがわかります。

 

相手の行動を変えたい時によく陥る失敗してしまう時のパターンと、うまくいくパターンをこの本では科学的根拠に基づいて解説されています。

 

うまくいくパターンというのは先ほど紹介した本の構成にもあるように、「先入観・感情・アメとムチ・主体性・好奇心・心理状態・他人からの影響の方法」とマッチすると人は行動を起こしたり、考えを変えたりするようになります。

 

成功と失敗のパターンを知ることで、人に植え付けられた本能を上手に活用することができるので誤った選択をしにくくなります。

 

また、自分や他人のバイアス(思考の偏り)がどのようにかかっているか知ることができるので、正しい判断を行うための材料として役立ちます。

 

本の中で紹介されているものをひとつ紹介します。

先ほど紹介した中のうまくいくパターンのひとつ、「アメとムチ」です。

 

とある医療現場の手洗いの実施率は対策を打ってもたったの10%でした。

この対策は24時間体制でカメラによる手洗い状況の監視を行うことでした。(この対策はムチです。)

 

対策を変え、手洗い実施率をリアルタイムで表示する電光掲示板にしたところ、なんと90%近くまで向上しました。(この対策はアメです。)

 

このように人を動かすのに正しい方法を知っておくと、人の変化を効果的に促すことができるようになります。

 

どこが良かった?

どこが良かった?

「人を動かしたい」というのは人間の根源的な欲求に近い気がしています。

というのも例えば、好きな人ができた時もちろん好きな人にも好かれたいですよね?

好かれるためにはどうすればいいだろうと考えるのが人間の自然な考え方です。

 

今回の本は「好きな人を振り向かせる!」という1つの分野特化型の本ではありませんが、人を動かすための話が網羅されています

 

名著中の名著「影響力の武器」を思い出させるような一冊ですね。

(「影響力の武器」はもう少し範囲が広い印象で、「事実はなぜ人を変えられないのか」は「より人を説得するためにはどうすれば良いか」という観点が。)

 

実例を交えた話が中心なので「即実践できる!」というわけにはいきませんが、原理原則についてしっかり理解すれば日常生活にも非常に役に立つ本だな、と感じました。

 

どう行動する?

どう行動する?

①共通点と利益で人を動かす

なんとなく肌感覚でわかっていたことですが、やっぱり事実だけでは人を動かせないですね。

本の中では共通点が重視されていましたが、これに加えて相手の利益になることも重要だと感じています。

自分の思い込みや主観的な見方に偏らないように気を付け、相手との共通点と利益になることを提示することでより良い行動を促せるようにしていきます。

(これは効果高いので悪用厳禁ですね。)

 

②妻とドラマ・映画・動画を見る

メディアを一緒に消費する人とは脳の反応がけっこう同期するので、仲間意識が芽生えたり、親密な関係を築くきっかけになります。

 

今までも意識してやっていたのですが、妻と末永く仲良くしていくためにも一緒にメディアを消費するという行動はとり続けていきます。

 

③アメとムチの使い方を適切にする

「どう役に立つか?」でも紹介しましたが、手洗い実施率向上の例はアメとムチの一例です。

他人を動かすためというよりは、自分を動かすために役立てていきます。

 

例えば、今はがんばってブログ更新しており、やる気が出ないときに「ブログを更新しないとただでさえ少ない信用がなくなるし、一回やめてしまうとずっとやる気がなくなってずっとやらなくなってしまうぞ!」なんて自分に言い聞かせると効果的に自分を動かすことができません。

 

それよりも「ブログを更新することで得た知識をアウトプットする機会が得られるし、これによって事業を興すタイミングもより近くなっているぞ!」という考え方になると行動に移したい気分になります。

 

アメとムチの使い方も原理を抑えておくと、簡単に応用が利くのでオススメです。

 

自分と他人に影響を与えて、動かす

自分と他人に影響を与えて、動かす

この本をざっくりまとめると、人を動かすための知識が詰まった本です。

こういう心理学の本はそんなに数は多くありません。

(根拠がない通俗心理学の本はたくさんありますが…。)

 

人を動かすための原理をパッと教えられても人は覚えていられないですし、知識の重要性をしっかり理解できないので仮に覚えられたとしても使わなくなってしまします。

そういう意味では、この本はキチンと科学的根拠を示しながら実例を交えてわかりやすく人に影響を与える方法を教えてくれる、とてもいい本だと感じました。

 

地味にいい値段(2500円+税)するので買う時にためらいましたが、ちゃんと読み込んで原理を理解し、日常生活に応用できれば簡単に元を取れるなと感じました。

まだ2回しか読んでいないので、今後も折に触れて読み返していきたい1冊です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

★参考資料★

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